韓国の軍服務期間と他国の軍服務状況
今年の6月にBTSのメンバー全員が軍除隊となり、BTSが7月から活動を開始、8月にワールドツアーを開始すると言われています。
今回は軍の服務期間(入隊して除隊するまでの期間)に関して説明しますね!韓国の軍制度は結構複雑なので、何回かに分けてきちんと説明したいと思います。韓国では、若者が一定期間兵役に就く義務を負っていますが、その服務期間が国内外で熱心に論じられています。本記事ではまず韓国における現行の軍服務期間とその基準、そして近年の政策変更について詳述します。次に、アジア諸国、ヨーロッパ、アメリカなどと比較し、各国の軍服務期間がそれぞれの社会的背景とどのように結びついているかを探ります。
ちなみに、ジンとJ-HOPEは既に除隊しており、残りのVとRMは2025年6月10日、ジミン、ジョングクは2025年6月11日、そしてSUGAは2025年6月21日となっています。


私は韓国でK-POP音楽関連や芸能関連の仕事を10年以上してきました。その為、関連しているアーティストであれば、K-POPの関係者コンサートチケットや、サインCDやサインポスター、コンサートグッズなども手に入ります。
それ以外にも、知り合いの何人かが韓国で大きなチケット代行をしているので、高くても良ければコンサート最前列なんかも取れたりします。
今後このブログで韓国の芸能裏事情や、韓国のチケット事情、韓国人と日本人の考え方の違いや、韓国グルメ情報なども配信して行きたいと思います。
今日は気になる人も多いと思う韓国の軍の服務期間を高くと比較して少しお話ししたいと思います。
韓国の軍服務期間の現状

韓国における軍服務期間は、国民皆兵制の下で規定されています。この制度は、多数の20代男性に影響を与え、彼らのライフステージの中で避けて通ることのできない一大イベントとなっています。軍服務期間は、陸軍、海軍、空軍といった各軍種により異なるため、その違いも含めて現状を詳しく見ていく必要があります。また、世界情勢や国内の政治経済的変化に応じて、服務期間や制度そのものが見直されることもあり、直近の変容についても注目されています。
現在の服務期間と基準
現在の韓国における軍服務期間について見ていくと、一般的には陸軍と海兵隊の服務期間は約18か月、海軍は20か月、そして空軍は21か月と定められています。この期間は、徴兵される者の年齢や特定の条件に応じて一部の例外があるものの、基本的な基準として広く適用されています。また、一定の病気や怪我を有する者、精神的健康状態が許さない者には、兵役の代わりに公益勤務要員として社会活動に従事する選択肢が与えられます。徴兵検査は18歳から27歳までの男性を対象に実施され、服務前の適性テストや体調チェックが行われます。
他国との軍服務期間の比較
世界には徴兵制度がある国がまだまだ、結構あります。 韓国、北朝鮮、ロシア、 台湾、ドイツ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スイス、イスラエル、トルコ、エジプト、マレーシア、シンガポール、ポーランド、カンボジア、ベトナム、タイ。
国によって徴兵制度にも特色があり、ドイツでは、18歳になると兵役の義務がありますが、人を殺したくないなどの理由で社会福祉活動などの活動を選択することも認められています。
アジア諸国との比較
タイの徴兵制はくじ引きで選ばれ、シンガポールでは永住権を持っている全ての人が徴兵の対象となります。
台湾では元々1年だった徴兵制が2018年に4カ月となったのですが、2022年12月から、また1年となりました。
ヨーロッパとの比較
スウェーデンではロシアの脅威を理由に、2018年1月から新たに女性も対象にした徴兵制が復活しましたし、リトアニアでは2015年に、フランスとスウェーデンでは2018年に復活しましたし、2024年からのラトビアの再導入が決定しているとのことです。
北朝鮮の軍服務期間は10年!
ちなみに北朝鮮はどうなっているかと言うと、韓国が1年半と期間が短縮したのに比べて、北朝鮮はその約6倍の10年間。今現在は17歳以上の男子が10年、女子も7年間、軍服務を義務とされています。
北朝鮮では2015年から女性も17歳から軍に入隊することが義務となりました。ただ、多くの抵抗があり、実際に実施されたのは2019年4月からですが、大学進学、芸術、スポーツなどの特技を持った女性は対象外となっているとのことです。但し、男性の上官が、朝鮮労働党への入党を推薦してやる、待遇を改善してやるなどと持ちかけ「性上納」を強いる事態が頻発しているとのこともあり、北朝鮮国内でも大きな問題になっているとのことです。
それにしても、10年間も軍生活をしていたら、はっきり言って人間凶器と言ってもおかしくないと思います。本当に恐ろしいです…
韓国の軍服務期間の推移と様々な軍制度
韓国の軍服務期間は今では1年半と昔に比べたらかなり短くなったと言えます。それでは韓国の軍服務期間の推移と現役以外の軍制度について少し説明したいと思います。
韓国の軍服務制度は身体テストによって現役服務、公益勤務もしくは社会服務要員、そして軍免除に分かれます。詳しい話はまた近いうちにお話しするようにしますね。また、いまではなくなってしまったのですが、1969年~1994年までは防衛兵制度と言うものもありました。
軍服務期間の推移
韓国では1953年には軍服務期間は4年間でしたが、1955年には3年間に、1984年には2年6ヵ月、1993年からは2年2ヵ月、2003年には2年間、2011年に1年9カ月、そして、2018年に今現在の1年6ヵ月へと服務期間が変更となりました。
昔に比べて、本当に服務期間が短くなったと言えます。ただ、これは陸軍と海兵隊の服務期間で、現在でも海軍は1年8ヶ月、空軍は1年9ヵ月となっています。
軍に入隊するとまず5週間の基礎訓練期間があります。その期間中は新兵教育隊に入り、この基礎訓練が終わってやっと正式な軍への入隊となります。
防衛兵制度とは?
よく、韓国旅行中に電車の中や道端で迷彩の軍服を着ているのを見かけることもあると思います。それは除隊後にも年に1回行われる予備軍と言う訓練に行く人たちです。過去には自宅から通う防衛兵と言う人達も自宅から軍に通ってる人達もいました。
防衛兵制度とは1年半の服務期間なのですが、条件によっては6ヵ月だけ服務すれば良いと言うものもあり、身体的に問題のある場合や、3代独子(祖父、父、自分が全て、兄弟に男子が1人だけの場合)、もしくは一人っ子ではなくても父親が亡くなり、母親に生活能力がない為、大黒柱として家族の生活を支えなくてはならない場合は、6ヵ月の防衛軍に入ることが出来たので、そういう人は周りに羨ましがられたものです。
ただ、今現在は先ほども言ったように防衛兵制度はなくなってしまいました。
イビョンホンさんも兵役前に父親が亡くなり、母親と妹を養う為、本当は現役入隊のはずだったのですが、6か月間だけの軍服務となりましたね。 ちなみに昔は、3代独子は6ヵ月の公益勤務、それ以上の独子(4代以上)になると軍免除となったため、そういう人は神の子(シネ アドゥル)と言われていました
公益勤務と社会服務要員
良く芸能人が行く公益勤務や社会服務要員と言います。正式名称は社会服務要員なのですが、公益勤務と言う方もまだたくさんいますね。
身体テスト4級の人が軍に服役する代わりに区役所や税務署、企業が学校等で働くことが出来ます。服務期間は現役服務期間より3ヵ月長い1年9ヵ月となっています。
K-POPアイドルグループのウィナーのソンミンホが、公益勤務期間中に仕事をほとんどせずに、海外に行ったり、 田舎でパーティーを開いたりして、きちんと服務していないと言う理由で、過去に歌手のPSYが公益期間中にきちんと服務していなかったため、公益勤務終了後に、現役で軍に再入隊して20ヶ月間、軍服務することになった事例もあり、ソンミンホも軍に再入隊しなくてはならないのでは?と言う話もありましたが、PSYの場合は現役で軍に服務しなくてはならなかったにもかかわらず、虚偽の申告をして公益勤務で服務したため、それが後になって分かり、公益勤務終了後に、再度現役で軍に入隊することになりましたが、ソンミンホは虚偽申告などをしていない為、軍に再入隊することはないとのことです。


除隊後も40歳までは軍人
また、軍を除隊したからと言って全て終わったわけではありません。軍を除隊すると、予備軍と言うものに転役され、8年間の予備軍生活が待っています。また、予備軍が終わっても40歳までは民防衛と言って敵軍の侵攻やテロ、自然災害時には民間防衛軍として動員されることになります。
予備軍や民防衛の話をすると長くなるので『韓国は軍除隊しても40歳まで兵役義務』でお話しするようにしますね。韓国の軍に関するブログをいくつかまとめておくので、興味のある方は見てみて下さい^^
韓国の軍服務期間に関する問題点
韓国の軍服務制度は、伝統的に長期間にわたり多くの若者に影響を与えてきました。この制度は国家安全保障上の理由から維持されており、多くの韓国人男性が一定期間、兵役に就くことが義務付けられています。しかし、これには様々な問題点も指摘されており、近年これらの問題についての議論が活発化しています。
国内での議論と批判
韓国の軍服務期間に対する国内での議論は多岐にわたります。一つの大きな批判点は、服務期間が長過ぎることが若者のキャリア形成や教育に悪影響を及ぼすというものです。2年近い期間、社会から離れることが要求されるため、大学卒業や就職のタイミングが遅れ、個人のキャリアパスに悪影響を与える可能性があります。また、軍隊内での人権問題、いじめ等が報告されることもあり、服務中の生活環境や待遇に対する改善要求が高まっています。
経済や社会に与える影響
経済面でも軍服務は大きな影響を及ぼします。若者が就業年齢の最中に軍役に就くことで、労働市場から一時的に離脱することになり、それが経済成長にブレーキをかけるとも言われています。特に、中小企業においては労働力の補填が難しいため、企業運営に支障をきたすケースも見られます。また、社会的には若者が強制的に服務に服することで、ストレスやメンタルヘルスに与える影響も懸念されています。このようなネガティブな要素は、軍服務制度の見直しを求める動機の一つとなっています。
今後の改善策と提言
以上の問題を踏まえ、韓国の軍服務制度の改善策としていくつかの提言があります。一つは、服務期間の短縮や、代替服務の拡充です。具体的には、社会奉仕活動を代替的な選択肢として利用可能にすることが考えられます。また、軍役に就いた人々が復職しやすい社会制度の確立も重要です。
たとえば、職場復帰を容易にするための法律整備や、兵役後のキャリア支援プログラムの充実化が考えられます。さらに、軍隊内での人権尊重や職業訓練の向上を図ることで、服務期間中に得る経験が個人の成長に繋がるようなシステムの構築も必要とされています。これらの改善策を通じて、個々の兵士にとっても、国家全体にとっても、より良い服務制度が実現されることが期待されています。