韓国は軍除隊後、40歳まで兵役義務!
韓国では、軍隊と民防衛制度が国防の重要な柱として機能しています。特に、兵役義務は若者が避けて通れない課題であり、その背後には複雑な歴史と文化が存在します。この制度の概要を理解することで、なぜ40歳までの義務が課されるのか、その理由と社会に及ぼす影響について考えることができます。まずは韓国の軍隊制度と民防衛の役割について紹介し、それらが法律でどのように規定されているか見て行こうと思います。

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今後このブログで韓国の芸能裏事情や、韓国のチケット事情、韓国人と日本人の考え方の違いや、韓国グルメ情報なども配信して行きたいと思います。
今回は韓国での軍除隊後の兵役義務が40歳までと言う点について、少しお話ししたいと思います。
韓国の軍隊制度の概要
韓国の軍隊制度は、特異な地政学的環境や歴史的背景から発展してきた独自の体系を持っています。朝鮮半島という特異な地理的位置にあり、北朝鮮との緊張した関係が続いているため、国家の安全保障にとって軍隊制度は極めて重要です。この制度は、国民の広範な参加を促進し、戦時に備えるために形成されてきました。
義務兵役の背景と歴史
韓国の義務兵役制度は、1948年の大韓民国成立以来存在しており、その背景には半島を取り巻く政治的な緊張が大きな要因として挙げられます。特に1950年から1953年にかけての朝鮮戦争を経たことにより、国防の必要性が広く認識され、義務兵役が法制化されました。義務兵役制度は、北朝鮮からの侵略を防ぎ、韓国の独立と主権を守るために役立っています。以来、この制度は韓国社会において国民の一部として位置づけられ、愛国心や団結心の強化にも寄与しています。
軍除隊後の兵役義務、民防衛!
韓国では軍を除隊したからと言って全て終わったわけではありません。軍を除隊すると、予備軍と言うものに転役され、8年間の予備軍生活が待っています。また、予備軍が終わっても40歳までは民防衛(ミンバンイ)と言って敵軍の侵攻やテロ、自然災害時には民間防衛隊として動員されることになります。
それでは予備軍と民防衛についてお話しますね。
予備軍と民防衛
まず、予備軍のシステムがどう言うものなのか説明すると、軍を除隊した人達だけでなく、兵役前の検査で現役入隊や、公益勤務と言う社会服務は難しいと判断されたが、兵役免除にはならなかった人たちもそこに加わって一緒に訓練を行います。

それでは、予備軍の期間はどの様になっているのか?
軍除隊後
1~4年間は年に1回予備軍訓練所で2泊3日の訓練に参加しなくてはなりません。
5~6年間は1年に1度、予備軍訓練所に行って8時間の訓練を受けなくてはなりません。
7~8年は6年間で全ての過程を終了している人は特に訓練はないのですが、1~6年の間に事情があって訓練を全て受けることが出来なかった人は、この期間中に受けれなかった、全ての訓練を終えなくてはなりません。また、訓練はありませんが、先ほども言ったように、戦争が勃発した場合はこの期間中も兵士として動員されることになります。
予備軍が免除される職業
予備軍は職業軍人や消防士、警察官、輸送関連の職業、そして海外に既に居住していて韓国に滞在していな人に関しては免除となります。
輸送関連の職業の人は、軍人としてではなく、輸送のエキスパートとして動員されるので、予備軍は免除されます。
予備軍は訓練時期になると携帯電話のメールや郵送などでその詳細届きます。学校の授業は予備軍訓練の招集案内を見せれば、欠席にはならずに休むことが出来まし、会社勤めの人も有給を使わずに休むことが出来ます。
その時は軍に入隊するわけではないので、坊主にする必要もなく、携帯電話の持ち込みも自由となっているので、カカオトーク(韓国ではLINEよりもカカオトークが普及しています。)の使用も認められていますが、携帯電話が使えない時間帯に使うと罰則を受けることになります。
一番の罰則は、予備軍も軍隊と言うこともあり、一切の撮影が禁止されています。軍の施設などを撮影するとかなり重い罰則になるとのことです。
決められた訓練日に参加できない場合は、延長することもでき、そう言う場合は韓国国防省のホームページで延長理由を書いて提出しなくてはなりません。
予備軍の訓練内容
予備軍は訓練時期になると携帯電話のメールや郵送などでその詳細届きます。学校の授業は予備軍訓練の招集案内を見せれば、欠席にはならずに休むことが出来まし、会社勤めの人も有給を使わずに休むことが出来ます。

その時は軍に入隊するわけではないので、坊主にする必要もなく、携帯電話の持ち込みも自由となっているので、カカオトーク(韓国ではLINEよりもカカオトークが普及しています。)の使用も認められていますが、携帯電話が使えない時間帯に使うと罰則を受けることになります。
一番の罰則は、予備軍も軍隊と言うこともあり、一切の撮影が禁止されています。軍の施設などを撮影するとかなり重い罰則になるとのことです。
決められた訓練日に参加できない場合は、延長することもでき、そう言う場合は韓国国防省のホームページで延長理由を書いて提出しなくてはなりません。
訓練の内容としては、朝4時半に起床して、銃の組み立てや実弾を使った発砲等の基礎訓練や、敵味方に分かれての実践訓練だけでなく、講師による講義を受け、朝昼晩ごはんは支給制なので、食堂で全員同じ食事をしなくてはなりません。
寝る時は2段ベッドで寝ることになるのですが、初めて会った人たちと同じ部屋で、しかも2段ベッドで寝なくてはならないため、それによってストレスを受ける人もいるとのことです。
予備軍の楽しみ!PXとは?
この様に朝4時から起床して訓練をしなくてはならない、大変な予備軍なのですが、一つだけ楽しみと言われるものがあります。それがPX(POST EXCHANGE)と言われる売店のことです。
PXとはアメリカ軍隊内で日用品や飲食物を販売している売店のことで、日本の自衛隊でも昔はPXと言う名称を使っていましたが、今では売店と呼んでいます。韓国も名称が変わったのですが、今でもPXと言う名前で親しまれています。

PXは現役軍人や軍務員、予備軍、軍関係者以外は利用することが出来ない売店で、靴、下着、洗剤などの日用品や、お菓子や、お酒、飲料、冷凍食品、文房具等が免税価格で購入することができ、 特に化粧品、お酒、たばこ等は市販価格に比べ圧倒的に安いため、化粧品に関しては予備軍に来る人達が家族に頼まれて大量買いをすることも多く、それを転売する人が後を絶たなかったため、市場価格が崩壊すると言う理由で化粧品の販売は2023年に中止となったとのことです。
ちなみに、PXで買える本当に不思議なものは2002年からプレーステーション2等のゲーム機が発売されているとのことです。
今現在2023年に勃発したロシアVSウクライナ戦争の影響でドルが急騰したため、PX内での価格が市販価格の半額まで下がると言う状況になっているとのことですね。
また、PXの無い場所には黄金馬車と言う移動式のPXが定期的に往来するとのことです。

民防衛とは?
軍除隊後8年間は平常時には一般人としての生活を送りますが、戦争などが起こると現役の軍人と同じように軍人(補欠軍人?)として動員されることになります。
そして8年間の予備軍を終えた後も、40歳までは民防衛(ミンバンイ)に参加しなくてはなりません。但し、民防衛(ミンバンイ)は厳密には軍隊ではなく、戦争が勃発したとしても、軍人としてではなく民間人としての身分となるため、軍服や銃の支給もありません。また、兵役免除になった人は参加しなくても良いことになっています。
内容はと言うと、予備軍を終えた後2年間は1年に4時間の集中教育、3~4年目は毎年オンライン教育を2時間、その後40歳までは毎年オンライン教育を1時間受けなくてはなりません。
民防衛訓練は、国民が緊急時に適切に対応できるようにするためのもので、多岐にわたる内容が含まれています。基本的な訓練としては、防火訓練、避難訓練、第一次医療の提供方法などがあります。より専門的な内容としては、原子力事故や生化学テロに対する対応訓練も含まれています。訓練は地域ごとに組織されており、日常生活に支障が出ない範囲で定期的に実施されます。このような訓練を通じて、国民は平時から危機管理意識を高め非常時に迅速に行動するために必要な知識とスキルを身につけることができます。
但し、戦争が勃発した場合はその年齢は45歳まで引き上げられ、戦況が悪化した場合はその年齢は50歳まで引き上げられて訓練を受けなくてはならなくなります。
ただ、30歳で入隊した場合は除隊後、予備軍ではなくそのまま民防衛(ミンバンイ)となるため、BTSのJINとSUGA、もしかしたらJ‐HOPEも予備軍を飛ばしてそのまま民防衛(ミンバンイ)となる可能性が高いですね!
民防衛の目的と機能
民防衛の主な目的は、国全体の安全保障を確保することであり、その中には外部の脅威からの防衛と内部の安定を保つことが含まれます。具体的な機能としては、第一に国家総動員体制の構築、第二に非常時に即応可能な組織と人材の確保、第三に国民防衛意識の育成が挙げられます。また、これに加えて、自然災害や人為的な災害への対策も非常に重要です。地震や台風といった自然災害に備えるための予防的な訓練が行われ、災害発生時には迅速な救助活動を行うための体制作りも民防衛制度の重要な機能です。
40歳までの義務:その理由と影響
韓国における40歳までの義務は、国家の安全と社会の安定に寄与する重要な制度です。この義務は、男性が兵役に従事し、その後も一定の年齢まで民防衛の訓練や役割を果たすことにより、平時から有事に備えた体制が整備され、国防意識の高い社会を維持出来るからです。40歳までの義務は、国家の防衛力を強化するとともに、国民一人ひとりが責任を持つという意識を醸成するものとされています。
年齢制限の背景
40歳までの義務が存在する背景には、韓国の歴史的、地理的要因が深く関与しています。韓半島は過去数世紀にわたって幾度も侵略と戦争に晒されてきました。このため、国土防衛における人口の重要性が歴史的に高かったのです。特に1950年代の朝鮮戦争後に挑戦半島が事実上の緊張状態にあることから、徴兵制や民防衛制度がしっかりと制度化されました。さらに、人口の流動性が高まりやすい現代社会において、国家全体で防衛意識を高めていく必要性もあり、40歳という年齢制限が定められています。
現代の課題と改革の動向
韓国の軍隊および民防衛制度は長い歴史を持っていますが、近年では多くの課題と改革の動向が浮かび上がっています。特にテクノロジーの進化や国際的な安全保障の状況変化に対応するため、これらの制度に柔軟性と適応力が求められています。こうした背景の中で、制度の見直しや改革に向けた動きが活発化しています。以下では、特に若者の意識と対応、そして兵役制度改革の提案と議論に焦点を当てて詳細に探ります。
若者の意識と対応
韓国の若者たちが兵役に対して持つ意識は、時代とともに変容してきています。以前は義務感から兵役に応じる者が多かったのに対し、現代では経済的な理由やキャリア形成に影響するとの懸念から消極的な姿勢を持つ若者も見受けられます。兵役が彼らのキャリアにどのように影響を及ぼすかという問題意識は、政府と社会にとって大きな課題となっています。加えて、兵役が個人の能力開発や人格形成にどのように寄与するかについての議論もあります。若者の意識は、より自主性を尊重する形へと移り変わりつつあり、兵役を社会貢献の一環として捉え直す運動も広がっています。
これに対応するため、政府は若者がより納得して兵役に従事できるように、今まで休日以外は使用することの出来なかった携帯電話の使用を、平日は日課後の午後6時~午後9時、休日は午前8時から午後9時まで使用出来る様にしたり、入隊初期の二等兵の月給は本当に微々たるもので

2010年度で7万3,500万ウォン(日本円で約8,000円)だった給与が
2015年度には12万9,400ウォン(日本円で約1万4,000円)
2020年度には40万8,100ウォン(日本円で約4万2,000円)
2022年度には51万100ウォン(日本円で約5万5,400円)
2023年度には60万ウォン(日本円で約6万5,000円)
2024年度には100万ウォン(日本円で約11万円)
2025年度には150万ウォン(日本円で約16万円)と
ここ数年で約3倍にまで上げる等、制度設計を続けています。
過去には36ヶ月だった軍服務期間も、今では18ヶ月と今までは考えられない位、政府の努力により、軍服務が楽になって来たと言えますね。